宴会のステップを活かして
「単に技術を学ぶのが目的ではない。
苦しくても全員が協力して、1つのことを成し遂げる。
Wの企業文化を守り育てていく、重要な一歩にしてほしい」。
出発前、Wはメンバーにこう話していた。
幹部社員らは、日本にいては経験できない内容の濃い研修旅行を通して、また1回り大きくなって帰国した。
ホテルに戻ったのは夜10時。
それからグループごとのレポートをまとめ、午前3時まで発表討論を続けた。
睡眠もそこに、午前6時半から再び次の日の研修開始、といった日程が組まれている。
2000年は、ロス到着直後まず昼までの2時間、イタリア料理、シーフードなど五店を回った。
午後はWの下敷きにもなったカジュアルレストラン「アップル.ビー」など五店。
夕方からはTGFライデーズやカリフォルニア料理、ステーキハウスなど8店を駆け巡った。
「31日午前3時25分ごろ茅ケ崎市今宿の国道1号で、大学生が運転するワゴン型乗用車が道路左側の水銀灯に激突。
車は反動で道路反対側の縁石にぶつかり停止したが、後部荷台に乗っていた仲間の大学生が開いたドアから車外に投げ出され、頭を強く打って間もなく死亡した。
車は定員5人だが、男女4人ずつ計8人が乗っており、1人が左腕を骨折するなど7人が重軽傷。
運転していた学生は、自動車運転過失致死傷と飲酒運転の疑いで1週間拘置され出てきた学生で、同じ人とは思えぬほどやつれ切り、消沈していた。
「誠実な人柄とガッッは、面接で十分、分かっている。
彼とは心が触れ合い、気持ちが通った。
触れ合いを大切にするのが、Wの文化。
採用を取り消したら、その文化に反する。
決して見放すようなことはしない」8人はともに、W藤沢店のアルバイト店員。
仕事を終えた解放感からか、だれ言い出すともなく誘い合い近くの居酒屋に飲みに行った。
2時間ほど懇談した後、平塚などに住む仲間を送っていく途中、自過失の事故を起こした。
飲酒運転した学生は同年春、Wに入社する予定の1人。
社長面接で高い評価を受け、真っ先に内定が決まっていた。
事故の一報が社長室に入ったのは、31日午前9時ごろ。
Wは毎月1回、社員の健康状態や精神的な悩みを聞いて、自らアドバイスをする社員カウンセリングの最中だった。
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